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RUBBER SOUL ジョンの発露・ポールの胎動

40歳で偶然ビートルズ熱が再燃し、その後バンドをやったりこんなブログを書いたりするようになった私は、あらためて「一番好きなビートルズのアルバムってなんだろう?」と考えることがままあった。
いつか、このブログの記事のコメント欄に「私が一番好きなアルバムは、RUBBER SOULではないかと思ってます」と書いたことがある。RUBBER SOUL ジョンの発露・ポールの胎動_b0036381_292210.gif

ジョン偏愛の私は、もとから「Sgt.」もそんなに好きじゃないし、「REVOLVER」もそう。「ABBEY ROAD」は好きだけど、よく聴くとB面は未完成曲をジョージ・マーティンマジックでつなげたのと、円熟味を増したビートルズの演奏がいいのであって、ほとばしるような活気があるアルバムではない。そしてこれらはやはりポールのアルバムなのである。
よく言われる「【A HARD DAY’S NIGHT】までがジョンである」という説にはほぼ同意する。
その後、「FOR SALE」を経て「HELP!」は誰もが絶頂だと思っていたジョンの痛切な叫びだったわけだし、アルバム自体はA面映画のサントラ盤という位置づけ、B面はそのころの録音を節操なく並べてあり、あまり高く評価できない。
やはり分岐点は「HELP!」の後、「RUBBER SOUL」である。
これは、ぶっ壊れる直前のジョン――1度頂点に立って、それから迷走を始めるまでのジョンの「嵐の前の静けさ」であり、才能とセンスが凝縮されているのではないか、と思うようになった。

楽曲は、IN MY LIFE、NOWHERE MAN(ネーミング最高)など歌詞も曲も素晴らしいものがある。シュールなNORWEGIAN WOODもいい。あまり評価されてないけどRUN FOR YOUR LIFE(浮気娘なんてアホな邦題はやめてほしい。ん?今はなくなってるのかな)も私は好きだ。ジョンの声が好きな人はこの曲やTHE WORD(同:愛のことば)は好きなんじゃないかな。

ポールの楽曲をみると、DRIVE MY CARでは若い頃からお得意の黒っぽいR&Rボーカルを披露していてgoodだし、MICHELLEではきらめくポップセンスを発揮、よくまあこんなコード進行で洒落たメロディーを、とピアノで弾いててため息がでるほどだ。しかしこの2曲はいいとして、YOU WON’T SEE MEは冗長で散漫、I’M LOOKING THROUGH YOU はサビの部分がつまらない、と「不世出のメロディーメーカー」となるにはまだまだ若く不十分であったと思う。(独断的感想です・・・ポールファンの皆さんごめんなさい)

でもこのアルバムはポールにとっても直後「REVOLVER」で才能を爆発させ、ポール的頂点「Sgt.」につながる布石となる、重要なアルバムであることには違いない。

などと考えていくと、「私ってやはりRUBBER SOUL好きだわ~」という結論に達したのである。
本当は初めて聞いたシタールの音色に魅せられただけかもしれないのに。
いや、そのNORWEGIAN WOODの訳詩を見て、幼稚な中学生がちょっとジョンの声に色気を感じ、ぽっと大人への憧れを感じだだけ、それが好印象のすべてだったかもしれないのに。
いや、IN MY LIFEのピアノ間奏――当時の私には「これはピアノじゃない、チェンバロだ」としか思えなかった、その間奏を耳コピして弾いて悦に入っていたから、それだけかもしれないのに。
いや、NOWHERE MANの歌詞カードを見た兄が「ジョンはここですばやくWHATって言ってるんだよ」と言い、「ゆーどんのー ちょうー みっしん」としか聞こえなかったところに小さくその頃まだ習ってなかった関係代名詞what が入ってて
You don't know what you're missing と歌ってたことに驚き、兄をプチ尊敬したから、だけかもしれないのに。

こうして、「いや、いや」と次々と理由になりそうなエピソードをあげていけるのも、やはり私がこのアルバムを好きな証拠なのでしょう。

そして、結論。
何を言いたかったかというと、4月ごろだったかな、東芝EMIのビートルズオフィシャルサイトで「あなたの好きなビートルズのアルバムは?」という人気投票をやってて、私は「マイナーかもしれないけど」と思いながら、RUBBER SOULに1票を投じたのである。
先日、その投票結果がメールで来てなんと、
1位アビイ・ロード18 %
2位ラバー・ソウル14 %
3位ザ・ビートルズ13 %
4位リボルバー12 %
5位サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド11 %
6位レット・イット・ビー7 %
7位プリーズ・プリーズ・ミー7 %
8位ハード・デイズ・ナイト7 %
9位マジカル・ミステリー・ツアー4 %
10位ウィズ・ザ・ビートルズ3 %
11位4人はアイドル2 %
12位ビートルズ・フォー・セール2 %
13位イエロー・サブマリン

となっていたのです。

おそらく、近年人気の「REVOLVER」あたりが「ABBEY ROAD」と首位を争うのかな、と思ってたので、ちょっと驚いた。
そこには
国内で300万枚のセールスを記録した『ザ・ビートルズ1』がリリースされた2000年11月、アンケート葉書によるアルバム人気投票の結果は『アビイ・ロード』、『レット・イット・ビー』、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド』が上位を独占しました。あれから6年経ち、やや変化が現れました。
となっていて、たまにこんな統計をとるのも面白いな、と思った。
そして
投票年代はなんと15~19歳・男性が一番多く、続いて40~44歳・男性。ビートルズの音楽が次世代に受け継がれている結果となりました。
だって。やっぱり私、男性・・・?

そのオフィシャルサイトには
皆様から頂いたコメントは来週から年代別にいくつか抜粋して発表していきます。とあったので、もしかして私のコメント、載らないかしら?などと、調子よく考えている。
何て表現したのか、思い出したいのよね。。。
ところでHNはsatomiにはしませんでした。そのHNだけは覚えているけど・・・フフフ、それはヒミツ。
オフィシャルサイトの人気投票結果
# by gbsatomi | 2006-06-26 02:14 | LOVING JOHN & FAB4

(ごめんねジョン)実はキライな曲もある

私はジョンが好き。ジョンの顔とかじゃなくて、声が好き。ボーカルが好き。
(ごめんねジョン)実はキライな曲もある_b0036381_2632.jpgジョンのつくる曲が好き。
だからジョンが歌うものは何でも好き。あまり一般的に評価されていなかったり、ひっそりと1枚のアルバムに入っているだけで有名でなかったり、例えジョン自身が気に入らない、と発言しているものでも。ジョンの声が好きなんだから、ジョンが歌うものは全部好き!

と言いたいところなのですが。
実は、ジョンの曲でもどうしても受け入れられない曲がいくつかあるのです。
それらをビートルズ時代に限って挙げてみましょう。



♪まず、一番最初にそう思ったのが、兄が持っていたキャピトル盤「Second Album」に入っていた「Thank you girl」。
キライな点
 ・イントロ 「アウ~ アウ~」というコーラス。
 ・そこにかぶさる「ドッドッドッドッドッドッドッドッ」というドラム。
 ・You've been good to me~ の特にbeen good to me というメロディー。
 ・And all I gotta do~  gottaの最後からdoへ5度上がるところ。
 ・And all I gotta do is Thank you girl, Thank you girlの後、唐突に
  Thank you girl for loving me と下りスケールになるところ。
ところで、この曲をPast Masters vol.1 で久しぶりに聞いたとき、何か違和感があったが、
それは「ハーモニカの有無」であった。私の聞いていたThank you girlは中間部の「the way that you do」の後と、エンディングにハーモニカが入るテイク。だからPast Masters テイクは何か物足りない気がしたものです。
この曲は100点満点で言うと、好き度31点。

♪そして同じく「Second Album」から「I’ll get you」
 
 ・最初Oh Yeah, Oh Yeah~のところが、「オー」が「アウ」のように聞こえる、ここがイ
ヤ。
 ・「Yes I Will」というところ。なぜかと言うと、中1であった私には当時そう聞こえなかった。(どう聞こえたかはヒミツ)歌詞カードを見ると、学校で習った言い回しYes I Will となっていて、 「えーっ!?」と思ったから。こんなのキライな理由になりませんね。リスニング力がなかっただけなのに(汗
 ・全体を覆う、今ふうの言葉でいえば「ゆるい」感じ。まあ、当時受けた印象では「もっさりした 曲だなあ」と。
好き度 34点。

♪お次はmy1st.albumだった「OLDIES」を聴いて。「From me to you」。 
 ・やはり最初のコーラス「ラララーララ ルンルンラー」がキライ。
  このメロディーで最後ハーモニカで締めるところもイヤ。
 ・ズンチャチャズンチャッ というどこか垢抜けないリズム。
 ・ハーモニカ全般。うるさい。
(これ、ジョンのボーカルだけ聴くとかなりカッコいいんですがね…というわけで
好き度40点)

♪次は赤盤にも「1」にも入ってるからいわゆる名曲の1つであろう
「Ticket to ride」
 
 ・イントロ
 ・She's got a ticket to rideのメロディー
 ・その他全体を通して漂う「中途半端」感。(マイナーなのかメジャーなのか、
  ロックなのかポップなのか)
 ・歌いにくい
   (She ought to think twice,She ought to do right by me.の部分)
 ・文法が違う
   (my baby don’t care・・・学校で習ったのと違う、おかしい、といういかにも
    中学生理論)
好き度  33点

この、中期の最初というか初期の終わりというべきか、「Ticket to ride」を最後に、しばらく「キライな曲なし」アルバムが続き、とどめはこの2発。
 
♪「White Album」から
・The continuing story of Bungalow Bill

 言わずもがな。Not when he looked so fierce と歌うヨーコのボーカル。
 初めて聞いたとき背筋が凍りつき、鳥肌が立ちました。ほんと。
 好き度 25点 

・Revolution 9
これはフツウに皆さんキライでしょう(笑)
まじめに書くとこれは、聞いた当時(中2)、恐ろしかった。
私って、昔テレビでよく出た「しばらくお待ちください」というのがすごく苦手なんです。
テレビって画面に何かが映って絶えず動いているでしょ。それが突然ピタっ!と止まって「しばらくお待ちください」と書いた静止画になるんですね。この突然性と不規則性が恐くて。今のテレビではまずありませんが、子どもの頃はよく出たんですよ。そのたびにテレビのある部屋から出て行ったり、こたつに隠れたり。兄が「もう終わったよ」というので顔を上げるとまだ続いていたりして。
そういう「恐さ」をなぜかこの曲はよみがえらせました。だから擦り切れるほど聞き込んだホワイトアルバムの4面だけは、あまり聞かなかったのです。おかげで「Savoy Truffle」の良さがこのトシになるまでわかんなかった。
よって好き度1点。

さて、キライキライばっか言ってると皆さんにも嫌われちゃう?といけないので、好きな曲もあげておきましょう。
ビートルズファンにとって「好きな曲」を選ぶことは本当に難しいです。
だから、ここでは「ジョンの曲、なるべくマイナーなもの」に限定しました。
どなたか賛同してくださる曲があるでしょうか。(ごめんねジョン)実はキライな曲もある_b0036381_2271592.jpg

・There’s A Place
・It Won’t Be Long
・All I’ve Got To Do
・Not A Second Time
・This Boy
・Any Time At All
・When I Get Home
・Yes It Is
・Run For Your Life
・Rain
・Hey Bulldog
・Happiness Is A Warm Gun
・Julia
・Yer Blues

かなり絞ったつもりです。。。やっぱ選ぶのって難しいですね。
# by gbsatomi | 2006-05-26 02:31 | LOVING JOHN & FAB4

Chaos and poor creation in the backyard

さて、新緑まぶしい風薫る5月・・・のはずなのに関東地方ではGW最後からどうもお天気がぱっとしません。そこでお花の話題など。でも我が家のpoor gardenでの素朴な花たちですけど・・・

久々に庭の手入れをしました。
といっても、南側の庭は何もできず、北側玄関わきの小さな植え込みだけ。ま、バックヤードです。といっても玄関なんだからバックと呼べないんだけど、メインではないので。
ここは日当たりの悪いシェードガーデン・・・といえばカッコよく聞こえるが、ここ2、3年ほったらかしにしておいたせいで、低木から雑草までが混沌とひしめき合う、武蔵野の原野を箱庭にしたようなスペースになってしまった。もともと植わっていたグランドカバー類の隙間に、日陰を好む植物を主に植えていたが、いくつかはダメになり、今生き残っているのは「日陰に耐え」何も手をかけなくても毎年咲いてくれる宿根草たち。ありがたい。

私の一番好きな花、すずらんが咲きました。
Chaos and poor creation in the backyard_b0036381_22342772.jpgう~ん、可憐で清楚。
香りも大好き。
若い頃使ってたフレグランスはこの花をベースにした「Diorissimo」でした。






これはセイヨウイワナンテン。
Chaos and poor creation in the backyard_b0036381_22381115.jpg
グランドカバーだからいつも低く刈りこまなきゃいけないんだけど、花の季節が終わってからにします。
地味ながらなかなか味わいがあるでしょ、この花。







アジュガです。この花、1ヶ月近くもちます。Chaos and poor creation in the backyard_b0036381_22414482.jpg
葉が見えないけど、紫と緑の独特の色合いで1年中、グランドカバーとして不毛の地をイワナンテン、フッキソウとともに彩ってくれます。そんな役割の植物だけど、花、きれいですよね。







これ!面白いでしょ。Chaos and poor creation in the backyard_b0036381_22441011.jpg
花なんです、これでも。ウラシマソウといいます。
長く伸びたヒゲが浦島太郎を連想させるからとか。
もう6、7年前、母を連れて千葉市郊外の竹の子園に行ったとき、竹やぶで異彩を放ってたものを、母が管理人の許可を得て持って帰り、ここに植えたのです。
これが毎年咲くたび、元気だった頃の母を思い出します。


この鮮やかな黄色の花は、カロライナジャスミンです。
Chaos and poor creation in the backyard_b0036381_22461297.jpgジャスミンなので淡く芳香があります。たくさん咲いてくれてうれしいです。
でも!
これは場所が悪かった。





駐車スペースの上がパーゴラになっていて、そこに巻きついているんです。↓Chaos and poor creation in the backyard_b0036381_22473651.jpg
花がぽとぽと車に落ちます。車じゅう花だらけ。
だからこの時期私は、黄色い花吹雪を道に撒き散らしながら運転するのです。
1分ほど走ると、きれいに全部散ってくれます。てか、花びらとはいえ道路を汚しているわけですが^^; まったく、駐車場に植える花じゃないよね。
今日、ベビーカーを押していたおばあちゃまが、道からわざわざ我が家のこのパーゴラに寄ってくるのが窓から見えた。あら、何するのかしら?と思ったら、地面に落ちてる黄色い花を拾って、ベビーカーの中の2歳くらいの女の子の髪につけてあげてた。
可愛いな、女の子。

さて、数年前までははりきりガーデニング主婦だった私も、ここ3年ほどの心身の不調ですっかり土いじりができなくなってしまった。
近所の人に何か言われてるだろうなあ・・・と思ってたら、やはりそうだったらしく、先日そんなウワサが耳に入ってきた。「あそこの奥さん、前はきれいに花をやってたのに、最近どうしたんでしょうね、具合でも悪いのかしら?――って○○さんが言ったわよ。。。」とありがたい?チクリ。小さな新興住宅街では「人の生活ウォッチャー」があちこちにいて、いろんな情報を発しているようだ。その中で暮らすのはちょっと息苦しいこともあるが、そんなこと気にしてたら生きていけないしね。I don’t mind!

ガーデニングで玄関先を飾ることは道行く人の目を楽しませることになるし、そういう家が多いと町全体のイメージアップにもなる。郊外の、緑豊かな場所に住むからには、ガーデニングが必須条件なのかもしれない。
花が好きな私なのに・・・でもできないものはできない。仕方ない。
結果、宿根草だらけになってしまった植え込みを見て、心の中でつぶやく。
「人のためにやってるわけじゃないんだし」
とはいえ、「なんとかしよう、ちょっとだけでも」との想いが頭をよぎる。
よーし!
この夏は、ここにインパチェンスを咲かせてみよう。
Chaos and poor creation in the backyard_b0036381_22493153.jpgインパチェンスは日陰が大好きなので、この場所にぴったり。以前はここに寄せ植えにして置いていたが、それはもう見事な鉢になったものです。
寄せ植えつくる元気はないので、この植え込みの空いてる部分に地植えにしちゃおう。
ほんの、2、3株植えるだけで、きれいに広がってくれることでしょう。
でもいろんな植物の根がchaosになってるからどうかなあ・・・
# by gbsatomi | 2006-05-13 22:57 | FLOWERS

90年代空白地帯(邦楽編) ああT-BOLAN

(しばらくおさぼりをしていました。毎日クリックしてくださった方、すみませんm(__)m)

今日は、自分語りをしてみたいと思います。よろしくおつきあいのほどを。

さて、タイトルの「空白」であるが、何が空白かというと私の人生で、「音楽的に空白だった」ということなのです。(なんか大げさな言い方だけど)
12歳でビートルズに目覚めてからというものの、ひたすら洋楽を聴き続けてきたが、それは1990年でピタっ!と止まってしまった。
1980年、ジョン死去の年から10年間は、私の人生も学生→社会人→主婦→母へ、とめまぐるしく変遷を遂げた時期だった。
80年ごろからからMTVなるものが台頭し、いわゆる洋楽全盛時代というか、後年「産業ロック」という言葉で括られるような音楽も出始め、「音と映像」が当たり前のように結びつく時代となっていった。私も以前ほど特定のアーティストに肩入れすることなく、時代の流れにのった「ヒットチャートもの」を聴くようになっていった。好き嫌いはあったが、まあ、自分の音楽鑑賞史のなかでは最もポリシーのなかった時代と言えるでしょう。

そんななかでただ1つだけあったポリシー。
それは「邦楽を聴かない」ということだった。
80年代に青春を過ごし音楽好きだった人なら、誰でも持ってたと言ってもおかしくないサザンとユーミン。私は借りたことすらなかった。今でこそ「J-POP」という言葉で語られる邦楽ロック&ポップスは、その頃は「ニューミュージック」だった。やはり、なんというかセンスが洋楽に比べて劣っている、と当時は思い込んでいた。この頃例外的に聴いたのが佐野元春と安全地帯くらいかな。久保田利伸が出てきたときは「日本人でこんな歌い方をする人がいるなんて」と驚いたものだったが。まあつまりは洋楽かぶれ、だったんですね。

ところが1990年、そんな生活は一変した。
2月には「ストーンズが来るんだって、最初で最後かも!」と東京ドームに行き、中年のおじ様たちに混じってスタンディングでこぶしを突き上げていたというのに、どうもその頃お腹に赤ちゃんが宿っていたらしく、11月には母となって育児に追われる生活となったのだ。

これはもう、音楽どころの生活ではなかった。
生後2ヶ月くらいは自分の時間など皆無だったが、夜中の授乳がなくなり生活に一定のパターンができると、夜に新聞を読むくらいの余裕はできた。やがて春になり、ベビーカーに子どもを乗せて「公園デビュー」をした。そこで知り合った人たちがやたらとドラマの話をしていた。
ちょうど「101回目のプロポーズ」を放映していた時期で、主題歌の「SAY YES」(チャゲ&飛鳥)がバカ売れしていた。邦楽史上ではこの頃はエポックメーキングな時期だったのではないだろうか。ドラマとの「タイアップ曲」が売れに売れた時代なのだ。

「SAY YES」は、音楽から遠ざかっていた私にたまにはCDでも聴いてみるか、という気になるきっかけを与えてくれた。日本語の音楽というものは育児に疲れている体には、抵抗なくすーっと入ってきたのだ。そしてドラマとのタイアップは次々とメガヒットを生んでいった。見てなくても、つけっぱなしだったテレビで偶然流れてたとか、CMでも流していたりで、それらの曲は自然と耳に入ってきた。

そんな中で唯一琴線を直撃し、「CD聴いてみたい!」と思ったのが
T-BOLANの「離したくはない」(「ホテルウーマン」主題歌)だった。
90年代空白地帯(邦楽編) ああT-BOLAN_b0036381_14364150.jpgT-BOLAN?なんだそれ。どう考えてもT-REXとマーク・ボランが浮かぶでしょう。
じゃあグラムロックの系譜を受け継ぐバンドなのかな、と思いきや、彼らはメディア露出が大変少なかった。CDにもはっきりと顔がわかる写真が少なく、同時期に売れ出したB’zと似たようなサウンドでありながら、なんか突っ張った恐い感じのバンドだった。

ボーカルでフロントマンが森友嵐士という、とても本名には思えない名前の人だった。その声はちょっとねちっこくて特に好きではなかったが、彼らの曲はなぜか私のハートに直球ストライクを投げてきた。早速CDを借りて(買ったのではない^^;)いろいろ聴いてみた。
歌詞が好きだの愛してるだの、そんなのばかりでちょっと凡庸だったが、メロディー、サウンドはブルース色の強いロックで、見事にはまってしまった。B’zが売れ線狙いに走った感があるのに比べ、あくまでもマイナーなイメージがこれまた気に入った。
「離したくはない」とか「マリア」「By for now」なんかが有名かも知れないが、私の一番のお気に入りは「Lovin’ you」というバラードだった。

そして私はといえば1993年に次男を出産し、これまた忙しい日々だったが、長男が幼稚園に入った94年くらいからは車でFMを聴くということが多くなった。当時出てきた「シャ乱Q」や「GLAY」なんかはいいねえ、と思ってまたCDを借りて聴いていた。(そういえば王様が「深紫伝説」を出したのもこの頃【95年】でした)
ふと気づいたら車の中が邦楽のカセットだらけだった。
あら、あの「洋楽かぶれ」の私が・・・と自分でも不思議だった。

そういうわけで、人生で稀な「邦楽鑑賞時代」に、一番心に焼きついたT-BOLAN。
しかし、彼らはいつのまにかフェイドアウトしていた。同時に邦楽シーンも「小室時代」になっていった。とりあえずgloveを聴いてみたがイマイチ、というよりイマ2or3という感じだったし、安室奈美恵の1st.の最初の曲の冒頭「Go,Go!」という掛け声を聞いた瞬間、はっきりわかった。「これはお子ちゃまの音楽だ…」私には先天的にNGだった。

それからまた10年がたち、J-POPも爛熟期に入ったというのか、より洗練されてきたように思う。今では高校生と中学生になった息子たちの影響で私は「中年にしてはJ-POPを知ってるおばさん」なのかも知れない。しかしやはりあのT-BOLANほどインパクトの強いバンドには出会えていない。彼らの演奏している姿を見たことがないが、一度見てみたかった。テレビに出ていたのか、それすらも知らない。CDだけで「ちょい惚れ」した、ちょっとミステリアスなバンド。
90年代空白地帯(邦楽編) ああT-BOLAN_b0036381_14411784.jpg
それにしても彼らはいったいどこへ行ってしまったのでしょう?最後のほうに出したシングル「愛のために 愛の中で」は、曲名こそアレだが歌詞はちょっと新境地を開いていたし、サウンドもソウルフルでとてもよかったのに。
で、調べてみたら・・・

1995年、ライブツアー『LIVE HEAVEN '94~'95』中に森友が喉を痛め、最終公演(3月26日・大阪厚生年金会館大ホール)はドクターストップがかかるも強行ライブを敢行。そのためもあってか、シングル「Be Myself/Heart of Gold 1996」を境に新曲を発表することなく活動休止状態となる。1999年12月に解散。

となっていた。そうかぁ、ノド痛めそうな声質だったなぁ・・・
それにしても残念である。今では語られることもないバンドだと思うけど、どなたか好きだった方はいらっしゃるでしょうか?
# by gbsatomi | 2006-04-25 14:54 | MUSIC

兄弟【Part3 ―夜遊びで遭遇した大火球―】

3月29日午後8時24分ごろ、関東地方から東海地方にかけて「大火球」が見えたらしい。

火球とは(日本流星研究会HPより)
兄弟【Part3 ―夜遊びで遭遇した大火球―】_b0036381_130081.jpg流星の中で特に明るいものを『火球(かきゅう)』と呼びます.判断基準は,諸説ばらつきが有るのですが,ここでは-3等級以上としています.夜空の全ての恒星より十分明るく,木星より明るいと認められる光度です.火球の中には,昼間見られるほど明るいものや,隕石落下に至るもの,飛跡に沿って長い時間光跡が残る(流星痕)もの,音を伴うものなど興味深い現象も含まれます.

その日のうちにNHKニュースなどでとりあげられたらしいが、翌日には主だった報道もなく、新聞にも載ってなくてがっかりした。それほど珍しいことではなかったのか?
我が家では運良く次男がそれを目撃した。
彼は―本当に運がいいというのか―たまたま「夜遊び」をしていた。
そこで、私にエライ剣幕で怒られたのだ。

現在春休み中の新中学2年生たちは、部活が終わったら暇をもてあましている。
先日も部活のない日に、わが次男を含む「悪ガキ軍団」はディズニーシーに行ってきた。
次男は、私の大反対を押し切って行ったのだ。(小学校卒業時と、中1の夏休みも友達同士で行っている。あのように1日軽く1万円もかかるところは、中学生が頻繁に遊び場とするのはふさわしくない、というのが私の持論。近いと言っても自転車で行けるような距離でもない。(浦安市→千葉市)おまけに閉園までいるというので、帰りが遅くなる。どうしても行くなら、ママはお昼代1000円しかあげないよ、と言ったら『いいよ』と言ってお年玉でまかなったようだ)
朝、4時半に家を出て、帰ってきたのはなんと翌日の0時20分だった!

そして、大火球が出現した29日も、午後6時前にその悪ガキ仲間が、ピンポーン、とインターフォンを鳴らして誘いに来たのだ。
「ちょっと走ってきていい?」と次男は私に聞いた。
野球部仲間たちと、家の前にあるグラウンドを走るのだ、と私は信じて疑わなかった。小学校の頃からよくしていたことだ。「いいよ」と即返事。
30分もしないうちに「腹減った~!」と言って帰ってくるはずだ。
そして「ごはん、まだ~?」と急かされるのだ。それが日常だった。

ところが、ディズニーシーでヘンな免疫がついたのか、7時になっても8時になっても9時になっても帰ってこなかった。
お金も持たず自転車で飛び出したのだから、お腹がへっているに違いない。
人一倍食いしん坊のくせに。
何か、悪い子たちにからまれたりしてないかしら。
私はイライラしながら、高校入学前の長男にガミガミと愚痴った。
次男を連れ出した仲間は、夜遊びは日常的、という子が多い。
私が、夜運転していると、自転車で家からずいぶん離れた場所をふらふらしているのを目撃するような連中だ。
お母さんたちも、何も言わないらしい。
「もう、まったくあんな子たちとつきあうから、○○(次男の名前)はあんなになっちゃって、ママが心配してるって思わないのかしら!」
「あいつはあいつなりに考えて友達づきあいしてるんだよ」
と長男はわかったように言う。
(あなたも考えてうまくしなさいよ・・・)私は心の中でつぶやく。

次男はようやく9時半に帰ってきた。
「どこにいて何してたの!?こんな時間まで!!」
「T大運動場で走ってた」
「えっ?あんなところで。それにしても、3時間以上も走ってたわけないでしょ!後は何してたの!?」
問いただすと、そのT大運動場の前の道路や、コンビニ駐車場でたむろってたらしい。他の子はお金を持っていて、次男だけ持ってなかったようだ。
私の説教はヒートアップした。
「ママに連絡しようと思わなかったの?」
「だって携帯ないじゃん」
「だったら、途中で『オレは帰るよ』って帰ってこなきゃダメでしょ!」
「何時までに帰ればいいんだよ?」
「そんなの常識で考えたらわかるでしょっ!暗くなる前に帰るのよ、当たり前でしょっ!!」
「いい!?こんなことするんだったら、もうあの子たちと付き合うの、やめなさい!うちは、子供が夜ふらふらほっつき歩くことを認めるような教育方針ではありませんっ!」
「はいはい、わかりましたよ」と人をバカにしたように言う。
まったく、腹が立つ。

ご飯も求めてこなかったが、(出してくれないと思ったのだろう)せっかく作ったし、お腹はぺこぺこのはずなので、鬼の形相から普通の母に戻り、ご飯の用意をする。
「明日も部活でしょ!食べたらさっさとお風呂に入って寝なさいよ!」
兄弟【Part3 ―夜遊びで遭遇した大火球―】_b0036381_139523.jpg

「隕石か何かが落ちたんだ!飛行機よりすごく速くて真っ赤に光ってて、とにかく凄かったんだ!」
就寝前に、彼はそのことを初めて話した。ようやく怒りがおさまっていた私は
「へえ~、それはきっと『火球』ってやつよ。ほら、ママが前にしし座流星群みたとき、赤くて特大の流れ星見た、って言ってたでしょ、そういうものだと思うよ」
それにしても、特に空を見ていたわけじゃない次男たちが、揃って「すげえ!」と叫んだというからよほど光ったに違いない。

ちょっと気になって、PCを開け天文や気象に関するサイトをのぞいてみた。
――掲示板がすごい騒ぎになっていた。
UFOだとか、人工衛星の再突入とか、飛行機の墜落とか、テポドンとか言う人も・・・とにかく明るく大きく、度肝を抜くものだったらしい。
もうちょっと専門的なサイトを探した。
「こんな全天を縦断する大火球を肉眼で見たのははじめて」
「夢か、と思うほど衝撃的な出来事」
「30年間の天体観測歴で最も驚くこと」
などなど、やはりただものじゃない大火球だったみたいだ。

なんと、動画もUPされてた。

こういうのも。
あーあ、私も見たかったなあ。
天文ファンというのはおこがましいが、天体観測はかなり好きなのです。

しかし、さんざん怒られるようなことをしたときに、こういうものを目撃できる次男って、いったい何なの?
我が子ながらなんだかうらやましくなった。
彼は幼いときから、おとなしくまったく手のかからなかった長男とは正反対の性格だった。
その長男でさえ、思春期に入ると私にさんざん手をかけさせるようになってしまった。
次男もまた、長男とは正反対のことをしでかして、私を困らせてくれるにちがいない。
もういまから覚悟している。

でも、あの大火球を見れたら、遥かな宇宙に想いを馳せ、日常のささいなことなんて吹き飛んでたかもしれない。子育ての悩みなんてちっちゃいちっちゃい、そんなこと。
兄弟【Part3 ―夜遊びで遭遇した大火球―】_b0036381_1371287.jpg

私たちは宇宙の塵、砂粒にも満たないような存在なんだから、ちょっとしたことでイライラしない、くよくよしない、悩まない。なんて思えたかも。
# by gbsatomi | 2006-03-31 01:46 | DIARY


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・ビートルズが3度のご飯よりも好きな、ダン・コレステさんのブログ

♪My Favorite Albums♪

ジョン・レノン「John Lennon /Plastic Ono Band」
まさに「ジョンの魂」がまるごとつまっているかのような、ジョンファンにはバイブル的アルバム。本当にジョンを好きじゃないと、重々しくて聴きにくいかもしれません。でも歌詞はともかく、サウンド面ではシンプルロックの原点のように思います。

「ロックするピアニスト」 ポリーニの「ショパンエチュード」。超絶技巧で弾きまくるこの爆弾のようなCDは、ピアノに興味がなくてもロック好きな人なら、きっと衝撃を受けるでしょう。数あるショパンエチュードの中でも
最高の1枚です。

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ジョンの魂 ~ミレニアム・エディション~ [PR]

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