血と汗とナミダのソフトボール大会

先日、次男の少年野球チームが属するリーグの「第25回母親ソフトボール大会」に参加した。子どもを少年野球に入れただけなのに、なぜか毎年秋、母親たちがプレイしなければならない、不思議なリーグの恒例行事だ。
皆、仕事や家事の合間をぬって、9月末から練習を重ねてきた。しかしもう若くはないのだ。まして普段運動というものをまったくしていない私には、これは苦痛以外の何物でもない。
特に毎年、初回の練習の後は、想像を絶する筋肉痛に襲われる。「想像を絶する」なんて大げさな、と思わないでください。普段、近所のスーパーに行くにも車を使って皆にからかわれている私のこと、もう全身の筋肉がひきちぎれたようになります。立ったり座ったり、何気ない日常動作がひじょーに困難になります。本当なのです、お願い、信じて!と言いたくなるくらい。

それでも毎週練習を繰り返すと、少しずつその「想像を絶する」筋肉痛が、「普通の筋肉痛」へと変わってくる。そしていよいよ本番を迎えるころは、かなり体も慣れてくるのだ。

さて。11月7日。晴れ。うそのように暑い。絶好の行楽日和に…ソフトボ―ルである。
大層に入場行進を行い、国旗掲揚、君が代斉唱、市会議員らが祝辞を述べる開会式まである。これは県大会、それとも全日本?いったい何の大会かとカン違いしそう。参加8チーム、ほぼ全員がにわか仕立てのママさん急造チームというのに。
ところが、である。
今年は約1名、そうじゃない人がいた。

1回戦を18対6で勝ったわがチームの2回戦の相手は、今年初参加の稲毛Pというチーム。
ここになんと、アテネで大活躍した「宇津木ジャパン」のメンバー!!! 
・・・・・みたいな人がいたのだ。

一目見ただけでその面構え、髪形、体型、すべてが「宇津木ジャパン」だ。われわれは、その人をひそかに「宇津木麗華」と呼ぶことにした。(ここでは親しみをこめて「麗華」とよばせてもらおう)
麗華はもちろんピッチャーだ。でも、われわれ用に、わざと遅くやさしい球を投げてくれている。高山選手みたいに太ももに手を当てるような投げ方はしない。でも、その「やさしい球」は真ん中に来て打ちやすいのだか、ずっしり重みがある。当たってもなかなか飛ばないのだ。
しかし、そのチームは麗華以外は皆どうみても素人…つまりわれわれと一緒だった。麗華の重いボールをブハっと当てて転がったしょぼいゴロを、他の素人選手たちは上手く処理できない。これはわれわれも、どこのチームもそう。だからママさんソフトは、当たればヒットになる確率が高い。事実、われわれはあの麗華から6点もとることができたのだ。
しかし、われわれがいかにがんばったところで、麗華にとっては赤子の手をひねるようなもの。わがチーム唯一のはりきりママ、Mさんが必殺ピッチャー返しを放った瞬間、誰もが「やった!センター前に抜けた」と思ったのに、麗華は抜群の反射神経とグラブさばきで難なく捕ってしまった。
麗華は打撃も力を抜いていたようだ。しかし軽く打っても鋭いライナーが飛んで行く。かくしてわれわれは13対6で敗れ去った。

午後からは3位決定戦が行われた。さすがに3試合目となると、われわれはもうヨレヨレで戦意喪失。守りのときは立っているのがやっとだった。「早く終わってほしい…」とそればかり思っていた。そのたびに「これで本当に最後なんだから」と自らを奮い立たせる。3年前からこの大会に出てきた。今年は卒業の年、泣いても笑ってもこれで最後なのだ。
しかし、1試合目で打ちに打ったわがチームは、皆、疲労の限界に達していた。打って塁に出ると、とにかく走る。普段は絶対行わない全力疾走だ。アウトにならない限り、ホームインするまでひたすら続く全力疾走。誰も自分が「アウト!」と言われたくないがために、馬車馬、いやサラブレッドのように走り続けるのだ。
足に、腰に、肩に、いやおうなくたまる疲労。もうダメ……わがチームは9対5で4位に甘んじることとなった。

そして後は閉会式を迎えるのみ。はりきりママMさんはもうシートの上でグデーっと横になっている。皆の顔にも疲労の色が濃く出ている。そんな中、私はある種の高揚感に浸っていた。「やっと終わった」という、解放感とでもいうのか。
4年間全出場したのは今の現役で私だけ、おまけに今年はキャプテンとして、練習から本番裏方準備まで、責任を持ってやらなければならなかった。ああ、とにかく終わったのだ。さつき夏祭り以降、最大にして最高につらいこの行事が。
「○わ○さん、お酒でも入ってるの?やけに饒舌ね」などと言われているうちに、ふと思い出した。「そうだ!編集長に『取材してこい』って言われたんだ」
どうしよう、自分の試合に必死で忘れてた―と思いきや―そこへ救世主、麗華の登場である。
麗華のチームは決勝に勝ち進み、まさに今、決勝戦の死闘を繰り広げていたのだった。カメラを抱えてグランドに急行する。ん?麗華のチームが負けている…そんな!??と、そこへ麗華が貫禄満々で登場した。
これ以上のシャッターチャンスはない。打て、麗華!走れ、麗華!―という私の願いが通じたのかどうか、彼女が満身の力をこめてぶっ放した1発は、大きな弧を描いてはるか遠くまで飛んでいった……走者一掃の逆転3ランホームランだった。あっぱれ麗華!
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優勝は初出場の、麗華率いる稲毛P。閉会式でコールされた「最高殊勲選手」はもちろん麗華だ。賞品は、野菜高騰のおり、主婦には嬉しい段ボール一箱分のキャベツ。他のお母さんなら二人がかりでえっさえっさと運ぶものを、麗華は一人で苦もなく運んだ。満面の笑みがさわやかだ。麗華、ごめんね。こんなところでネタに使っちゃって。でも麗華みたいな人、好きだよ、私。スポーツウーマンはみんな性格がいいって、知ってるもん。

こうして4年がかりの「血」(アザ…内出血)と「汗」(文字どおり)と「ナミダ」(泣きながら『どうして私がこんなことやらなきゃいけないの』と訴える輩あり)の母親ソフトボール大会は幕を閉じた。
来年はOGとして差し入れを持っていくことになる。麗華、そのときにまた会おうね!

(後日談)
筋肉痛は試合後2日目にピークに達し、私の奇妙な動きに家族中が笑うこと。ウケを狙ってやってるんじゃないのよ、こうしか動けないのよ・・・同時に風邪をひき、ふんだり蹴ったりのつらい日を過ごしています。。。ああ熱っぽい、ノドが痛いよ~
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by gbsatomi | 2004-11-11 00:02 | DIARY


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