嵐と共に去りぬ(合唱コンクールで玉砕す)

台風23号が各地に大変な被害を残して去っていった。私も昨日、嵐のような拍手を受け、大舞台を後にした―(というのはウソ)

激しい雨の中、車が目指す場所は、千葉県文化会館大ホール。川中美幸も矢沢栄吉も、そしてこれから中尾ミエと伊東ゆかりもコンサートをする、という、由緒正しいコンサートホールでのデビューだ。あいにくの悪天候などおかまいなし。私の胸は朝から高鳴っていた。

前日、指導者から「当日良い声を出すには、お茶やコーヒーはやめて、水にしてください。たんぱく質はいけません。リンゴがいいです」 と言われたので、ミネラルウオーターを持ちこみ、お弁当にはもちろんリンゴを添えた。なぜたんぱく質がいけないのかはよくわからない。

そうしてコンクールが始まった。
1年生から、順番に歌っていく。1年生はさすがに、まだかわいい。そして、男子の声が安定していないせいか、合唱はお世辞にも・・・という感じだ。(まあ、われわれPTAコーラスもそんな感じなのだろう。もちろんかわいくはないが)
出番が2年生の終了後、午後1時からという予定であった。
ところが・・・・・台風が近づいているという。
貸し切りでホールを借りた以上、「雨天決行」であったが、生徒の帰路の安全を考えなければいけない。ということで「予定大幅変更」もありうる、とアナウンスされた。

「じゃあ、もう私たちは出なくていいわ」 冗談ともホンネともつかないような会話が口々に交わされる。そして結局は「TSUNAMI」1曲だけを歌うことになった。

バックステージに入る。さすがに川中美幸や矢沢永吉が公演をするところだ。広い。ロックバンドなら円陣を組んで「オー!」とやるところだろう。(こういうのスキ)
しかし、ママさんコーラスはあくまでも優雅だ。皆、歌詞なんて覚えていて当然なので、私のように心配することもなく、ブラシで髪をとかす者、コンパクトを取り出しお化粧なおしをパタパタとする者…余裕だ。私も手ぐしで慌てて髪を整えたが、どうも落ちつかない。もうアンチョコを見るわけにもいかない。我ながら往生際が悪い。そうだ、歌ってみよう。
♪風に戸惑う弱気な僕 通りすがる あの日の影♪
(ぎ、じゃなくて『が』。鼻濁音の『んが』)―と、声に出していたら右隣の心優しいMA嬢がラストまでずーっと一緒に歌ってくれた。これはありがたかった。
「大丈夫よ。間違えたって平気よ」と言われ、今朝出掛けにチェックしてきたマイブログのコメントを思い出す。某バンドの某氏が「間違えたときにはシラをきれ」(という表現ではなかったが)と書いてくれてた。
そうだ、そうしよう。恐いものなど何もない。

いよいよステージへ。不思議なほど平常心だ。私の位置はど真ん中。集音マイク2本がもろに声を拾ってくれそうだ。でももう仕方ない。ビートルズの曲のようにイントロなしで始まる「TSUNAMI」。メゾソプラノにはちょっとつらいG音の歌い出しがすべてだ。
♪風にとまどう 弱気なぼく…♪ 観客席を見ず、指揮者だけを見る。私はまったくあがっていない。(つもりだった)ただ、指揮者のT女史はちょっとアクションが堅め。いつもの、音にのって流れるような指揮ぶりとは違うなぁ、と思いながらも曲は進む。

「さだめ」と「カモメ」も上手く歌い分け、いい調子、このまま最後まで…と思った瞬間。
―やってしまった―・・・・・
「身も心も いとしい…」と歌うべきところを「めぐりあえた時から…」 と歌ってしまったのだ。
実際には「めgu!…心も…」という感じ。さて、そのとき平静を保てたかどうか。あからさまに「やっちゃった!」という表情はしなかったと思うが、もし私の表情に注目している人がいたなら、間違えたことを見抜かれたかもしれない。

そして曲はクライマックス部分「めぐりあえた時から死ぬまで好きといって」に達し、最後、メゾの決め所「思い出はいつの日も……雨」。一番難しいこの部分が、ピタっと決まらなかった。「いつの日も」の後がリタルダンドして「雨」は、「力を抜いて階段を降りるようなつもりで」歌うのだが、どうも「あ」の出だしがキチンと揃わなかった。その部分、私自身の声も納得いく声が出なかった。

あ~あ。歌詞もやっぱり間違えちゃったし、なんだか不完全燃焼。ほろにがい「文化会館デビュー」となった。

終わってみると皆、口々に「間違えた~」と言っている。ホントかな?
私自身はやはり歌いこみ不足だな…よし!11月14日の東急音楽祭でリべンジを果たそうではないか。

さて、肝心の生徒たちの合唱だが、やはり3年生の上手さは際立っていた。それに私が中学生だった頃の合唱曲より、今のほうがはるかに複雑で難しい。だから伴奏も高度な技術が求められる。今の子はすごいなあ、と思った。でも最も印象的だったのが特殊学級(今、この呼び方は見なおされる傾向にあるというので、この言葉が適切かどうかわからないが)の生徒たちによる斉唱「あの素晴らしい愛をもう一度」だった。

障害のある生徒たちが、全身を使って一生懸命歌う。途中から手話が入り、その時会場の誰からともなく、手拍子が起こった。会場中の手拍子をもらって、生徒たちはさらに熱演している。この中には、小1のとき私の長男と同じクラスで、途中で特殊学級のあるK小に転校したG君の姿もあった。感動なのか何なのか、涙が出てしかたなかった。こんなことで泣くなんて私だけだったら恥ずかしいな、と思ってまわりを見たら、みんな泣いてる泣いてる。「去年はもっとボロボロだったのよ。今年は心の準備ができていたからこんなものだけどね」と、左隣でTI嬢が涙をぬぐいながら言った。「私だけじゃなくてよかった・・・」と言いながら、しばし、その子たちの親御さんに思いを馳せた。

こうして降りしきる雨の中、「ちょっと感動、ちょっと残念」の合唱コンクールは幕を閉じたのでした。
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by gbsatomi | 2004-10-21 23:12 | DIARY


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