人気ブログランキング | 話題のタグを見る

兄弟【Part3 ―夜遊びで遭遇した大火球―】

3月29日午後8時24分ごろ、関東地方から東海地方にかけて「大火球」が見えたらしい。

火球とは(日本流星研究会HPより)
兄弟【Part3 ―夜遊びで遭遇した大火球―】_b0036381_130081.jpg流星の中で特に明るいものを『火球(かきゅう)』と呼びます.判断基準は,諸説ばらつきが有るのですが,ここでは-3等級以上としています.夜空の全ての恒星より十分明るく,木星より明るいと認められる光度です.火球の中には,昼間見られるほど明るいものや,隕石落下に至るもの,飛跡に沿って長い時間光跡が残る(流星痕)もの,音を伴うものなど興味深い現象も含まれます.

その日のうちにNHKニュースなどでとりあげられたらしいが、翌日には主だった報道もなく、新聞にも載ってなくてがっかりした。それほど珍しいことではなかったのか?
我が家では運良く次男がそれを目撃した。
彼は―本当に運がいいというのか―たまたま「夜遊び」をしていた。
そこで、私にエライ剣幕で怒られたのだ。

現在春休み中の新中学2年生たちは、部活が終わったら暇をもてあましている。
先日も部活のない日に、わが次男を含む「悪ガキ軍団」はディズニーシーに行ってきた。
次男は、私の大反対を押し切って行ったのだ。(小学校卒業時と、中1の夏休みも友達同士で行っている。あのように1日軽く1万円もかかるところは、中学生が頻繁に遊び場とするのはふさわしくない、というのが私の持論。近いと言っても自転車で行けるような距離でもない。(浦安市→千葉市)おまけに閉園までいるというので、帰りが遅くなる。どうしても行くなら、ママはお昼代1000円しかあげないよ、と言ったら『いいよ』と言ってお年玉でまかなったようだ)
朝、4時半に家を出て、帰ってきたのはなんと翌日の0時20分だった!

そして、大火球が出現した29日も、午後6時前にその悪ガキ仲間が、ピンポーン、とインターフォンを鳴らして誘いに来たのだ。
「ちょっと走ってきていい?」と次男は私に聞いた。
野球部仲間たちと、家の前にあるグラウンドを走るのだ、と私は信じて疑わなかった。小学校の頃からよくしていたことだ。「いいよ」と即返事。
30分もしないうちに「腹減った~!」と言って帰ってくるはずだ。
そして「ごはん、まだ~?」と急かされるのだ。それが日常だった。

ところが、ディズニーシーでヘンな免疫がついたのか、7時になっても8時になっても9時になっても帰ってこなかった。
お金も持たず自転車で飛び出したのだから、お腹がへっているに違いない。
人一倍食いしん坊のくせに。
何か、悪い子たちにからまれたりしてないかしら。
私はイライラしながら、高校入学前の長男にガミガミと愚痴った。
次男を連れ出した仲間は、夜遊びは日常的、という子が多い。
私が、夜運転していると、自転車で家からずいぶん離れた場所をふらふらしているのを目撃するような連中だ。
お母さんたちも、何も言わないらしい。
「もう、まったくあんな子たちとつきあうから、○○(次男の名前)はあんなになっちゃって、ママが心配してるって思わないのかしら!」
「あいつはあいつなりに考えて友達づきあいしてるんだよ」
と長男はわかったように言う。
(あなたも考えてうまくしなさいよ・・・)私は心の中でつぶやく。

次男はようやく9時半に帰ってきた。
「どこにいて何してたの!?こんな時間まで!!」
「T大運動場で走ってた」
「えっ?あんなところで。それにしても、3時間以上も走ってたわけないでしょ!後は何してたの!?」
問いただすと、そのT大運動場の前の道路や、コンビニ駐車場でたむろってたらしい。他の子はお金を持っていて、次男だけ持ってなかったようだ。
私の説教はヒートアップした。
「ママに連絡しようと思わなかったの?」
「だって携帯ないじゃん」
「だったら、途中で『オレは帰るよ』って帰ってこなきゃダメでしょ!」
「何時までに帰ればいいんだよ?」
「そんなの常識で考えたらわかるでしょっ!暗くなる前に帰るのよ、当たり前でしょっ!!」
「いい!?こんなことするんだったら、もうあの子たちと付き合うの、やめなさい!うちは、子供が夜ふらふらほっつき歩くことを認めるような教育方針ではありませんっ!」
「はいはい、わかりましたよ」と人をバカにしたように言う。
まったく、腹が立つ。

ご飯も求めてこなかったが、(出してくれないと思ったのだろう)せっかく作ったし、お腹はぺこぺこのはずなので、鬼の形相から普通の母に戻り、ご飯の用意をする。
「明日も部活でしょ!食べたらさっさとお風呂に入って寝なさいよ!」
兄弟【Part3 ―夜遊びで遭遇した大火球―】_b0036381_139523.jpg

「隕石か何かが落ちたんだ!飛行機よりすごく速くて真っ赤に光ってて、とにかく凄かったんだ!」
就寝前に、彼はそのことを初めて話した。ようやく怒りがおさまっていた私は
「へえ~、それはきっと『火球』ってやつよ。ほら、ママが前にしし座流星群みたとき、赤くて特大の流れ星見た、って言ってたでしょ、そういうものだと思うよ」
それにしても、特に空を見ていたわけじゃない次男たちが、揃って「すげえ!」と叫んだというからよほど光ったに違いない。

ちょっと気になって、PCを開け天文や気象に関するサイトをのぞいてみた。
――掲示板がすごい騒ぎになっていた。
UFOだとか、人工衛星の再突入とか、飛行機の墜落とか、テポドンとか言う人も・・・とにかく明るく大きく、度肝を抜くものだったらしい。
もうちょっと専門的なサイトを探した。
「こんな全天を縦断する大火球を肉眼で見たのははじめて」
「夢か、と思うほど衝撃的な出来事」
「30年間の天体観測歴で最も驚くこと」
などなど、やはりただものじゃない大火球だったみたいだ。

なんと、動画もUPされてた。

こういうのも。
あーあ、私も見たかったなあ。
天文ファンというのはおこがましいが、天体観測はかなり好きなのです。

しかし、さんざん怒られるようなことをしたときに、こういうものを目撃できる次男って、いったい何なの?
我が子ながらなんだかうらやましくなった。
彼は幼いときから、おとなしくまったく手のかからなかった長男とは正反対の性格だった。
その長男でさえ、思春期に入ると私にさんざん手をかけさせるようになってしまった。
次男もまた、長男とは正反対のことをしでかして、私を困らせてくれるにちがいない。
もういまから覚悟している。

でも、あの大火球を見れたら、遥かな宇宙に想いを馳せ、日常のささいなことなんて吹き飛んでたかもしれない。子育ての悩みなんてちっちゃいちっちゃい、そんなこと。
兄弟【Part3 ―夜遊びで遭遇した大火球―】_b0036381_1371287.jpg

私たちは宇宙の塵、砂粒にも満たないような存在なんだから、ちょっとしたことでイライラしない、くよくよしない、悩まない。なんて思えたかも。
by gbsatomi | 2006-03-31 01:46 | DIARY


コスメのことならhttp://satomiomio.exblog.jp/へ!


by gbsatomi

カテゴリ

ごあいさつ
LOVING JOHN & FAB4
MUSIC
DIARY
BEAUTY
FLOWERS

最新のトラックバック

フォロー中のブログ

おかずの『プチ文芸部』
Kayokoの 『Swe...
コスメ道

Link


さつきが丘フィールズ
・愉快な仲間のHP
サマーディ (Samadhi) for Conscious Evolution
・スーパーソムリエ、ワインセラピストさんのブログ。
音楽もいっぱい。
「あいだ」にあるもの
・ジョージ大好きギタリスト、
yujiさんのブログ。
Good Timin'
・あらゆる年代の洋楽に詳しいモスコさんのブログ。
BEAT ODYSSEY.COM
・ジョン・レノンを心理学的
アプローチで研究する
KENNYさんのサイト。
ロックdeシネマ
・元祖ロックからHR/HM、LOUDまで幅広く紹介する
pagさんのブログ
In My Life with the beatles
・ビートルズが3度のご飯よりも好きな、ダン・コレステさんのブログ

♪My Favorite Albums♪

ジョン・レノン「John Lennon /Plastic Ono Band」
まさに「ジョンの魂」がまるごとつまっているかのような、ジョンファンにはバイブル的アルバム。本当にジョンを好きじゃないと、重々しくて聴きにくいかもしれません。でも歌詞はともかく、サウンド面ではシンプルロックの原点のように思います。

「ロックするピアニスト」 ポリーニの「ショパンエチュード」。超絶技巧で弾きまくるこの爆弾のようなCDは、ピアノに興味がなくてもロック好きな人なら、きっと衝撃を受けるでしょう。数あるショパンエチュードの中でも
最高の1枚です。

ライフログ

ジョンの魂 ~ミレニアム・エディション~ [PR]

ショパン:12の練習曲 [PR]

以前の記事

2009年 03月
2009年 01月
2008年 09月
2007年 06月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
more...

検索

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧