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手に汗握ってコケました―初ライブ!

ライブといっても、ライブハウスでやる本格的なものではない。
練習6回のわれわれひよっこバンドが、仲間内にその練習の成果を披露する、「内覧会」である。それをスタジオではなくて、ちょっとした会場を借りてやったのだ。
私にとっては、20年前、学園祭で1度だけバンドを組んで演奏した、そのとき以来の人前演奏。
相棒K嬢は、やはり20年前にI氏とやっていたバンドのライブ以来のものである。
見に来てくれる方々にはあらかじめ、さんざん断っておいた。
「とにかく、まだライブができるレベルではない。どんなことをやってるのか、お披露目ということで」
そして、まさにそのとおり・・・お披露目、まあ正確に言えば「さらけだして」しまったということであります。

会場までの車の中で、ベテランドラマーI氏は「一度、人前で緊張して演奏してみるのもいい経験になるよ」とおっしゃった。「でも、私緊張なんかしないわ。だって、みんな知ってる人だもん!」
観客は、私がお呼びした「本当のお客様」も若干いらしたが、ほとんどがよく知る仲間と、メンバーの家族たち。アットホームな音楽会だ。そしてわがバンマスが参加している、もう一方の兄弟バンド(こちらは本格派Charのトリビュート)との共催ということで、実にカジュアルな雰囲気あふれるライブだったから。MCとかもまるで練ってない。あくまでも自然体で構えていた。
だから、急遽「始まりを告げる司会進行役」を任命されたときもま~ったく平気。
だって、全員知ってる人なんだもん。アガりようにない、って。

そしていよいよわれわれの出番が来た。
1曲目はポールの「HEATHER」。最新アルバム、Driving Rainからのもの。
これはほとんどインスト曲といっていいもので、我々が初回練習時から取り組んでいる、いわば、バンドのテーマ曲みたいなもの。相棒K嬢のピアノに乗って、私はバッキングのギターパートをシンセで弾く。うん、いい感じ。メンバーの顔を見ながら演奏できる。
ぜーんぜん、アガってない。
2曲め、「HELLO GOODBYE」。リードボーカルはK嬢。私はフィドルとギターを、2台のシンセで同時弾き。ギターのうねりがどうしても上手く出せないけど、まあ仕方ない、ギターのいないバンドなのだから。これも特にミスもなくどうにか終わった。
さて、ここで動きが出た。
われわれは、2台のシンセと1台のエレピで演奏する。そして誰がどのパートをやるかというのは、K嬢とその都度話し合って決めるので、曲によってチェンジが必要なのだ。
ギター弾きにしてみれば、何それ、リードギターとリズムギターがその都度変わるのかい?なんて思うかもしれない。でもピアノ弾きはシンセだけじゃなくてピアノも弾きたいのです、ということでわがままを通させてもらっている。

セッティングは、見栄えのことも考えてシンセ2台とエレピを離して置いているので、チェンジの際にいかにスムーズに動くかというのも課題であった。3曲目「MAGICAL MISTERY TOUR」は、私がエレピ&ボーカル。さあ、チェンジ!
エレピの前に座り、マイクの位置を調整する。そのとき、私はある異変に気づいた。
「手に汗かいてる!」

とにかく、そんなことは40ン年生きてきて、初めてのことだった。
ただちに脳内で昔の出来事がフラッシュバックされた。

OL時代のピアノ部。1年先輩に、唯一の男性部員で、ワルトシュタインなんか弾いてしまうすごく上手い人がいた。しかし彼がピアノを弾いたあとは鍵盤がねっとり湿っている。手に汗をかく体質らしいのだ。彼の後に弾くのを皆、嫌がった。「いやよね~。でもなんか拭くのもちょっとねえ」なんてお気楽OLたちはキャッキャと騒いでいた。
発表会では、彼は張り切って2曲または3曲続けて弾いてしまうので、「湿り気」は相当なものだった。後に弾く人は、かわいそうにハンカチできれいに拭いてから弾いていた。
背が低くて、無口で、ピアノが上手い以外はこれといって特徴のない・・・そんな彼を皆、少し揶揄していた。でも、私は後にそれを大層後悔した。彼は、なんと冬山に1人で登り、遭難死してしまったのだ。そのニュースを聞いたときの衝撃は忘れられない。「なんで・・・」「嘲笑してごめんなさい」「彼の人生って・・?」

と、ここまでのことが、手に汗をかいているのを知った瞬間、さーっと走馬灯のようにかけめぐった。時間にして10秒ほどだろうか。手に汗・・・このまま弾くわけにはいかない。どうにかしなくちゃ。私はとっさに手のひらを逆側の手の甲になすりつけて拭いた。するとI氏のカウントが始まった。「1・2・3・4」いきなりジャーン!と出るノリのいいロックナンバーである。えっとえっと…最初がwaiting,そしてhoping, coming,dying・・・
歌詞を頭の片隅でおさらいしながらも、曲はどんどん進む。
ん?あれ、おかしい、私、音はずしてる・・・!

と気づいたけど、あとの祭り。何回か出てくるサビの部分、ごく簡単な、コードが半音ずつ下がってくるところを間違えてしまった!!一度間違えると、ボタンのかけちがいみたいに最後までおかしくなる。あ、修正しなくちゃ、えーっと、どうしよう・・・なんて言ってる場合じゃないのだ。なんせ間違えようが何しようが曲は進むのだから。
私の脳内では「笑ってごまかせ」という指令が出たようで、とにかく笑顔になっているのが自分でもわかった。それが引きつっているのもわかった。
4曲目、「LOVELY RITA」は、また私のリードボーカル。前曲の失敗でさーっと血の気がひいたまま始まってしまった。ミスをしたのかしてないのか。それすらも覚えていない。終わったとき、仲間のKe氏が「(この曲を)演る、という勇気をホメよう」とおっしゃった。その言葉がすべてだった。

後は、淡々と演奏したような気がする。とにかくもうボーカルをとることはない、という安心感と、「あーあ」という気持ち。「詰めが甘かった」という後悔の念。

緊張なんかしてないわ、と軽い気持ちでのぞんだくせに、手に汗をかくなんて。
とにかく一発勝負なのだ。朝、I氏が言ったことがよくわかった。
ライブをなめてはいけないのだ。

一方、9月にライブハウスデビューをする兄弟バンドは、さすが迫力のサウンドで、せめて彼らの演奏を聴いてもらえただけでもお客様に申し訳がたつ、というものだった。
なんせプロを目指し音楽学校を卒業したギターのM氏と、中学からずーっと彼の相棒であるドラムのK氏、その兄上でわがバンドのベースでバンマスでもある、やはり30年選手のJ氏という強力トリオ。チームワークも抜群、中年パワー全開の素晴らしいものだった。

最後は両バンドが合体してのセッション。2曲ともキーボード主体の曲ではないので、気持ちもラクに、楽しませてもらった。

しかし、終わってからというもの、いまだに私とK嬢はキズをなめあっている状態だ。
謙虚な彼女は、たいしたミスもしていないのに、なぜか私より落ち込んでいた。私といえば、「このまま、コケたままでは終わらないわよ~」と、なぜか鼻息荒くなっている。
四十女は、転んでもタダでは起きません。rolling stone にはならないぞ!必ずや、いつかはライブハウスに皆さんをご招待できるように・・・そ、その前の緊急最重要課題は懸案の「ダイエット」であったこともはっきりしたけどね・・・(泣)

演奏した曲
HEATHER
HELLO GOODBYE
MAGICAL MISTERY TOUR
LOVELY RITA
FLYING
SHE’S LEAVING HOME
I AM THE WALRUS
JEALOUS GUY
MERRY CHRISTMAS Mr. LAWRENCE(連弾)
BIRTHDAY(セッション)
WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS(セッション)

♪見に来ていただいた皆様、ありがとうございました♪
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by gbsatomi | 2005-07-27 18:20 | MUSIC


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