人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ぶち切れた夜

久々に更新したと思ったらこの物騒なタイトルですみません。
なにがぶち切れたかといったら、もう脳内の毛細血管がぶちぶちと切れていったのです。
いや、もちろん確かめたわけじゃないけど。

先日バンドの5回目の練習で、恐れ多くも私がリードボーカルをとる曲を中心に練習したときのこと。
曲は、何でも歌えるポール様の曲。ドラムがごきげんなロックナンバーで、ポールはサビの部分はカッコよくシャウトしている。そしてコーラスが思い切り入る。コーラスが演奏の一部を担ってるといえるでしょう。なんとそれは私とK嬢がやるのだ。ドラマーI氏は20年前の姿に戻ったかのように激しく叩きまくっている。ベーシストのバンマスJ氏はカッコよく合いの手を入れるだけで、「これキーが高いんだよね」と言って、最近いっそう力強くなったという指使いでリズムを刻むことに徹している。K嬢は指の毛細血管ぶち切りながら、ブラスセクションの必殺16分音符の速弾きをシンセでやっている。私は、エレピでポール特有の単純で力強いコード弾きをするだけ。というわけで、私にリードボーカルの負担がまわってきた。
なんてこった・・・わ、わたしがこんな曲を歌うなんて・・・

それは、どんなに声を張り上げても楽器の音にかき消され、またロックっぽい声など出るはずもなく、なぜかお子ちゃまのような声になってしまう。
合唱で歌うときはこんなじゃないのに。。。と言っても仕方ない。ロックボーカルとは基本的に発声法が違うのかしら。どちらもおなかの底から声を出すのは変わらないけどねぇ・・
とにかくあらん限りの力をこめて、大声を出す。するともう頭の中がプッツン、プッツン、とキレていくのがわかります。「ああ、血管キレそう!!」
たしかにほんの少しキレていた気がするし、確実に血圧はあがっているだろう。サビの部分は最高血圧200になった気分だ。はあはあ。もうダメ!

練習後K嬢いわく「もうわたし、何回もめまいを起こしそうだったワ」彼女は立って、やはり精一杯の声を出していたのだ。
2人とも、とてもロック向きの声とはいえない。
昔、アン・ルイスが言ってたことを思い出した。「あたしの声はロックじゃないのよね。だから残念だけど歌謡ロックしか歌えない」。しかし、彼女は大変な歌唱力の持ち主である。
往年のヒット曲「GOODBYE MY LOVE」を歌ってみるとわかる。とーっても難しい。
それをアンはこともなげにさりげなく歌っている。私も歌いたいなあ、と思ってカラオケで挑戦したが、冷や汗ものだった。「これ、歌うのやめよう」とそのときは思ったが、実はその後何度となく挑戦しては玉砕している。
私とK嬢がまだ仲良くなる前のこと、ある忘年会に出席してカラオケタイムとなった。
彼女は「GOODBYE MY LOVE」とオリビア・ニュートンジョンの「そよ風の誘惑(Have you never been mellow?)」を歌った。奇しくも、私がカラオケに行くと必ず歌う歌である。
当然親近感を覚えてしまった。しかし、後にお互い血管ぶちきれそうになりながら、バンドで歌うなんて想像すらできなかったが。。。

さて、実はその練習の日、私は朝からとても体調が悪かった。
寝てても体がふらふらし、目がまわっている。「ああ、私、こんなので立って演奏できるかしら・・・」そこへK嬢からメールがきた。体の不調を訴えると、彼女は仕事中にもかかわらず長い返事をくれた。それはわれわれのメディカルアドバイザーにふさわしい、彼女ならではの知識満載メールだった。「血のめぐりが悪いのよ。外に出て、日光を浴びて少し屈伸運動してみて。朝風呂もいいわよ。カプサイシンをとるといいからおそばに唐辛子たっぷりとか、ご飯とキムチなんか食べてごらんよ。そして出かける前にアミノ酸飲料を飲んだら元気になるよ、お試しあれ」
いくつかは実行したが、アミノ酸飲料にはありつけず練習が始まった。
ところがどうでしょう。あれだけふらふらしていたのに、シャン、としてきた。
体中に力を入れて声を出したから、血行がすっかりよくなったのかも。
するとクチもすらすら動き出す。といっても、声がよく出るようになったというわけではない。元気のなかった私に、いつもの「達者なクチ」が戻ってきたのだ。
その曲のエンディングではピアノがリズム隊と微妙にからみあうが、I氏が1度だけちょこっとミスをしたとき。すかさず「最後、リズムおかしいよ。私に合わせて」「ここ、入り方わかんないんだよな」「えーっと、こうでしょ、(歌う)そして1、2、3、4、5、6、ハイ!」そこを何度か練習したら、ニヤニヤ、とI氏が笑うのが見えた。「手ごわいなあ~」。
J氏が「オレはあまり言わないほうなんだよな」と笑っている。彼らは以前同じバンドにいて、ツーカーの間柄なのだ。お互いベテランだし、少しくらいのミスはなんてことなくやり過ごしても、後できちっと合わせてくることがわかっているのだろう。
しかし、若い頃にビートルズナンバー全曲が刷り込まれた私の脳内では「コピーをする」に当たり、少しの違いも認識する、われながら精度の高いセンサーが備わっているのだ。
そのセンサーは、違いを認識したときただちにアラームを発するようになっている。
脳細胞は毎日破壊されていくばかりだが、なぜかそのセンサーはまだ十分働いているようだ。I氏と若い頃バンドをやっていたK嬢は、私たちのやりとりをひやひやしながら聞いていたかもしれない。「satomiちゃんったら・・・ベテランをつかまえて」

まあ、そんな皆様の「大きな愛」に包まれ?能天気に言いたいことを言い、やりたいことをやらせてもらってる、私は幸せ者でございます。
by gbsatomi | 2005-06-08 17:17 | MUSIC


コスメのことならhttp://satomiomio.exblog.jp/へ!


by gbsatomi

カテゴリ

ごあいさつ
LOVING JOHN & FAB4
MUSIC
DIARY
BEAUTY
FLOWERS

最新のトラックバック

フォロー中のブログ

おかずの『プチ文芸部』
Kayokoの 『Swe...
コスメ道

Link


さつきが丘フィールズ
・愉快な仲間のHP
サマーディ (Samadhi) for Conscious Evolution
・スーパーソムリエ、ワインセラピストさんのブログ。
音楽もいっぱい。
「あいだ」にあるもの
・ジョージ大好きギタリスト、
yujiさんのブログ。
Good Timin'
・あらゆる年代の洋楽に詳しいモスコさんのブログ。
BEAT ODYSSEY.COM
・ジョン・レノンを心理学的
アプローチで研究する
KENNYさんのサイト。
ロックdeシネマ
・元祖ロックからHR/HM、LOUDまで幅広く紹介する
pagさんのブログ
In My Life with the beatles
・ビートルズが3度のご飯よりも好きな、ダン・コレステさんのブログ

♪My Favorite Albums♪

ジョン・レノン「John Lennon /Plastic Ono Band」
まさに「ジョンの魂」がまるごとつまっているかのような、ジョンファンにはバイブル的アルバム。本当にジョンを好きじゃないと、重々しくて聴きにくいかもしれません。でも歌詞はともかく、サウンド面ではシンプルロックの原点のように思います。

「ロックするピアニスト」 ポリーニの「ショパンエチュード」。超絶技巧で弾きまくるこの爆弾のようなCDは、ピアノに興味がなくてもロック好きな人なら、きっと衝撃を受けるでしょう。数あるショパンエチュードの中でも
最高の1枚です。

ライフログ

ジョンの魂 ~ミレニアム・エディション~ [PR]

ショパン:12の練習曲 [PR]

以前の記事

2009年 03月
2009年 01月
2008年 09月
2007年 06月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
more...

検索

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧